ジェラシー① スカーレット・ベリ子 感想
二年間発売されるのを待ち続けていました。
ジェラシー①!!!!
スカーレット・ベリ子先生の四代目・大和辰之のスピンオフです。
櫓木氏前作でも異様な存在感を放っていましたが、今回の作品では若いこともあって振り切れ方がすごかった。
ヘビ顔天パーロン毛という見た目もさることながら、凡人の思考回路では追いつけない道理で動くところも櫓木氏の魅力かと思います。
本編エロはほとんどモブおじさん状態なので一棒一穴主義の人には向かないかも…(私は大好物です❤️
以下ネタバレあり感想
前日譚と位置付けられているこの作品ですが、冒頭は現在の時間から始まっています。
櫓木氏が最愛の娘の麗華ちゃんとドライブ中に、当たり屋をして飛び込んでくるハチ。
今後櫓木に対しての攻め役になるのか…??
ことば巧みに人心掌握をしたり、相手の本質を見抜けるあたりハチも一癖ある人物なんだろうと思います。
過去編は櫓木と大和明虎(と浅生田)の出会いから。
落ち目になった小説家のヒモをしていた櫓木と、借金の取り立てにきた会長代行の明虎さん。
表紙でも縄で縛られて転がされている櫓木さんですが、ここでも小説家とSMプレイして縄で縛られてる。やーさんの二人が踏み込んできた時には、ロシアンルーレットで小説家の方は死んでて、そこで飄々としてる櫓木の異様さが垣間見えています。
小説家が溜め込んでた札束の一つを櫓木さんに渡す明虎さん。
「いらない 興味ない」
「俺もだ」
っていう短い会話で櫓木は明虎さんに自分と似たものを感じて惹かれたんだと思う。
物に執着しないってサイコパス診断とかにも出てくるよね、たしか。
でもお金は手元に残さなかった(人にあげた)けど、のちのち出てくるピストルってここでロシアンルーレットしてたやつだよね。一応関わった人にはそれなりの思い入れを持ったりはしてるのかもしれない。
明虎さんに会いたいがために大学生が花村のシマで大麻を売ろうとしている情報を流す櫓木さん。ここでも縄で縛られて登場(笑
櫓木は情報のご褒美に明虎さんとデートに行くことに。浅生田さんが凄く嫌そうな顔をしてるのがちょっと面白いです。
移動中の痴漢のくだりが実は作品の中で一番印象に残っているシーンだったりします。
”自覚した悪人”と”普通の人”の話。
櫓木は明虎さんの行動の理由を見抜けるんですよね。
ただやりすぎちゃって、途中までは良かったのにって言われてしまう。どう考えても耳を食いちぎるのはやりすぎ…狂犬かよと思いました(いいぞもっとやれ!!
花村会に入って、明虎さんの家族になりたい櫓木さん。
明虎さんは大麻を売ろうとしてた大学生が、櫓木に焚きつけられてやっていたことに最初から気付いてて1日一緒にいたんだろうということが会話の内容から推測されます。たぶんここで櫓木が指摘される前に、自分が焚きつけたって言ってればこじれずに済んだのかもしれない。
適当な映画をみて明虎さんが感想話し合おうって言ったのも、多分同じものをみて同じ感想を持てる人間が少ないからで、櫓木に期待してたんだと思うんですよね。
直接がダメなら周りから固める作戦にでる櫓木さん。
傘下の組の実力者である半田さんを引っ掛けるシーンの色気が凄くてほんとこういう表現がうまい作者さんだなぁと思いました。
盗んだ原チャで走り出す辰之ママww
ああいう明日使っちゃいけない豆知識ってどこで仕入れてくるんだろう???
私ああいう女性キャラ大好きなんですよね。男の世界でも渡り合える逞しさがカッコいい。
サウナで我慢比べをする櫓木さんと明虎さん。
「お前には無理だ」って言われてムキになっちゃう櫓木さんが可愛いです。たぶん他人に否定されるのが滅茶苦茶嫌いなんだよね。別のシーンで塩かけられて人殺そうとしてたし…
ここで弄られた乳首は半田さんにも触らせない櫓木さん(笑
櫓木は金転がしの面でもイロとしての面でも半田さんのことを篭絡してるんですよね。
外出してるの心配したり、大事な時計あげようとしたり櫓木にのめり込んでる半田さんの小者っぷりが哀れ。
でも感情面では完全に虜にされてる半田さんですが、頭ではやっぱり利用されてるだけってことを見抜いてるんだなあ。
怒って割れたガラスごと櫓木を殴ろうとするけど結局やめちゃうところやっぱり櫓木が好きなんだなと思いましたが、あそこでそのまま殴ってたら多少は櫓木に見直してもらえたかも?
櫓木が半田に見切りをつけて出てこうとするシーン、めちゃめちゃタイミングよく櫓木宅が燃えたよってニュースやってて、空気の読めるテレビだった。
軽口で言ったことで大惨事になるのルルーシュみたい。
タガが外れた櫓木さん他の組の組長にカチコミかけてて思わず笑った。
組長の居場所簡単に突き止めちゃうあたり、本当に頭いいんだなぁって。
でもよくない方に行ってるってわかってるのに止まれない(止めようとして悪化させる)の本当に不器用なんだよね。
大和会の名前を使ったことで組織全体から追われる櫓木さん。でも立ち聞きした会の名前で、半田さんが自分を追ってると勘違いしている。
4章の最初で明虎さんが返り血浴びてた公衆トイレに逃げ込んでる櫓木さん。
はじめて読んだ時人殴るのによく使ってる場所なのか、ふーん。て思ってたけど違った。最初の見開きだけ時間軸がちょっとずれてたのね。
「生きてたな…」って櫓木さんのことを一番に探し出して心配してくれてるのがわかる明虎さんやっぱりいい男ですよね。
代理でも上の立場にある自分が一番に見つけたらまだ救いようがあるからって思って見つけてくれたんだろうな。隠れ場所がわかるのも二人の考え方がにてるからかもしれない。
半田(会長代理に見つけられてる!櫓木を助けなきゃ)
櫓木(自分を追ってきた!明虎さんから離れろっ)
っていうすれ違い本当に半田さんかわいそう…
ずっと小物人生を送ってきて、櫓木に嵌って漢気見せたとたんに人生終了だもんね。その櫓木にも撃たれそうになったし。
櫓木は櫓木で発泡しちゃったせいで明虎さんも庇いきれなくなってそうだし、やったことが全部裏目にでてる。
ラストは一瞬でてきた床屋のオーナーのところに不法侵入してる櫓木さん。慰めてはくれないけど、追い出さずにかくまってくれるオーナーは大事にすべき人脈だと思う。
書き下ろし!睡眠姦!
サウナ後気絶してる櫓木さんを犯す明虎さん。肌綺麗とか、いい匂いとか言ってる。
櫓木さん子供みたいな匂いなんだって!
自分の子供のこと連想した直後にヤってるのってどうなんでしょうね(笑
今回櫓木さんに関わったことによって死んだ人数推定→5人+α
小説家
ホームレスの人
半田さん
櫓木両親
(大学生たち)
…さすが疫病神の汚名を欲しいままにしているだけある笑
書き下ろしのあれで銭湯にも悪い噂が立って営業妨害になってそうだしww
受けと攻めが絶対結ばれないことが最初からわかってる作品読むのってちょっと新鮮。
次回作でどこまで櫓木がドツボに嵌っていくのかをみるのが楽しみです。